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METHOD

物語を読み解くメソッド

物語で、
価値観を動かす。

なぜ、その物語に心が動くのか。
作品の分析と実践から得た知見を、企画や制作に使える視点へ。

01 / WHY VALUES CHANGE

人の価値観は、なぜ変わるのか。

価値観は、生まれつき決まった性質ではありません。世界をどう理解し、どう身を守ってきたか。その積み重ねがつくる「見方の癖」です。だからこそ、条件がそろえば書き換わります。

01

01 / STEP 01

脳は、世界の「仕組みの模型」をつくる

人は「何が起きると、何が起きるか」という自分なりの因果の理論を組み立て、世界を予測し、コントロールしようとします。この信念のシステムが、価値観の土台です。

01 / STEP 02

ゆがみと身の守り方が、その人らしさになる

この模型は完全ではありません。思い込みや偏り、つまり「欠点」が必ずあり、欠点は世界を正しく扱う力を弱めますが、同時に人柄や個性をかたちづくります。そして人はその欠点を抱えたまま、世界に対処する戦略と、傷つかないための防御を繰り返し、それが性格という基本的な構えになっていきます(心理学ではビッグファイブで測られます)。

01 / STEP 03

見えないものは、外からしか見えるようにならない

人は、自分にとって重要なものしか認識できず、それ以外は目の前にあっても盲点(スコトーマ)になります。しかも心には、体温を一定に保つのと同じように、今の自分を保とうとする働き(ホメオスタシス)があります。心理学者カール・ロジャーズは、自分の思う自己像と食い違う経験は脅威として感じられ、否定されたり、歪めて受け取られたりすることを示しました。価値観は、自分を守るために強く現状を維持しようとするのです。だからこそ、何が重要かは自分の内側だけでは変わらず、他者の経験や情報に触れたときにはじめて書き換わります。

01 / STEP 04

信念が揺らぐ瞬間に、変化の入口がある

人は信念を脅かされると、それを守ろうと抵抗します。けれど、守るか手放すかを迫られるその揺らぎの瞬間こそ、価値観が動く入口です。

参考:W.ストー『STORY TELLINGの科学』/S.シュタール『本当の自分がわかる心理学』/D.ネトル『パーソナリティを科学する』/『オーセンティック・コーチング』(スコトーマ・重要度・ホメオスタシス)/諸富祥彦『カール・ロジャーズ』(自己と経験の不一致)/L.フェスティンガーの認知的不協和理論

02 / WHY STORIES

人類が愛してきた「物語」。

物語は娯楽である前に、人間が世界を理解するための道具でした。神話からゴシップ、映画、ショートドラマまで、形を変えながら私たちは物語を求め続けています。

  1. 01

    脳は、変化と未知に惹きつけられる

    生き延びるために、脳は世界と他人を正しく理解する必要がありました。だから、いつもと違うこと、まだわからないことに強い好奇心を向けます。物語はその好奇心に応える形をしています。

  2. 02

    因果関係は、脳の母語

    脳は膨大な情報を「これが起きたから、あれが起きた」という単純な筋書きに変換して世界を理解します。この因果の筋書きこそが物語の基本構造です。宇宙や生死のような深い問いに向き合うときでさえ、人は物語で答えようとしてきました。神話や宗教も、何が起きていて、それはなぜかを説明する物語だといえます。

  3. 03

    物語は、人を集団にまとめてきた

    人は「誰が信頼でき、誰が裏切ったか」といううわさ話(ゴシップ)を交わすことで、協力すべき相手を見分け、集団をまとめてきました。そこで語られるのは、何が称賛され、何が非難されるのかという集団の基準です。だからこそ、無私の行為を英雄的と感じ、利己的な行為を悪と感じる感覚は、文化を超えて共通しています。

  4. 04

    時代と国を超える「型」がある

    神話学者ジョーゼフ・キャンベルは、世界中の神話に共通する英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)の型を見いだしました。脚本家クリストファー・ボグラーはこれを、「日常の世界」から「宝を持って帰還」までの12の段階に整理し、ハリウッドの脚本術に広めました。ジョージ・ルーカスがこの型を『スター・ウォーズ』に生かしたことも知られています。

  5. 05

    物語は、安全に「コントロールを失う」遊び

    物語の中で、人は実際の危険にさらされることなく、思い通りにならない状況や喪失を体験できます。物語は、心のためのシミュレーションでもあります。

参考:W.ストー『STORY TELLINGの科学』/Y.N.ハラリ『サピエンス全史』/R.ダンバーのゴシップ仮説/J.キャンベル『千の顔をもつ英雄』(1949)/C.ボグラー『神話の法則』(12段階のヒーローズ・ジャーニー)/K.オートリーらのフィクション=シミュレーション論

03 / STORIES CHANGE VALUES

物語で、価値観は変わる。

中央の点の立体は、ひとりの価値観。固い見方の「立方体」から、物語を通じてどう変わっていくのかを、説明に合わせて形と動きで表しています。

01 / 03

主人公と同じ体験の中で、価値観が動く

物語の中で信念を揺さぶられ、決断を迫られる主人公。その姿を追ううちに、受け手も同じ揺らぎを自分のこととして体験し、価値観を更新します。物語に深く入り込む「移入(トランスポーテーション)」が起きると反論が弱まり、映画を1本観ただけで価値観の測定値が動いたという実験もあります。人はメッセージを「述べられた」ときではなく、「体験させられた」ときに変わるのです。

02 / 03

どんな人に、どんな物語が効くかは、科学できる

受け手の性格や価値観に合わせて伝え方を変えると、反応が大きく変わることがわかっています。2016年の米大統領選では、ケンブリッジ・アナリティカ社がFacebookから不正に集めた数千万人分のデータをもとに利用者の性格を推定し、性格の傾向ごとにメッセージを出し分けた広告に使ったとされ、大きな社会問題になりました。だからこそ、この力はブランドが誠実に、人と社会のために使うことが重要だと考えています。

03 / 03

自分を縛る物語から、自由になる

人は「自分はこういう人間だ」という支配的な物語(ドミナントストーリー)の中で生きています。別の物語に触れて、自分を語り直す余地が生まれたとき、人はその縛りから解放されます。

参考:Velvet 物語データベース「価値観が変わる条件」の分析/M. Green & T. Brock(2000)移入理論/N. Döring ほか(2015)映画視聴による価値観変化の実験/A. Bardi & R. Goodwin(2011)価値変容の促進要因/野口裕二『物語としてのケア』/M. White & D. Epston(ナラティヴ・セラピー)/橘玲『スピリチュアルズ』/S. Matz ほか(2017)心理特性に合わせた説得

04 / VELVET ORIGINAL METHOD

価値観が動く、
7つの「ドア」。

価値観を動かすために、Velvetは物語データベースから独自のナレッジを開発しています。その一例が、名作の分析から見えてきた、価値観が動く7つの入口です。

Velvetのメソッドは、3つの知見を掛け合わせてできています。人の価値観がどう変わるかという「人の知見」、物語がどう組み立てられているかという「物語の知見」、そして古今東西の作品を分析したデータベース。この3つをつなぐ独自のナレッジから、どんな物語が、どんな人の、どんな価値観を、どう変えるのかをメソッドにしています。

名作映画を、視聴者の証言・評論・脚本の三方向から分析すると、価値観が変わる瞬間には共通する入口があることが見えてきました。私たちはそれを「ドア」と呼んでいます。

DOORA

信念の破壊

信じていた前提が、最後に崩れる。主人公は変われなくても、見届けた観客が変わる。

例:『チャイナタウン』
DOORB

反実仮想の証明

「もし自分がいなかったら」を見せることで、ありふれた日常の価値を証明する。

例:『素晴らしき哉、人生!』
DOORC

人物との出会い

ある価値を体現する人物と長い時間を過ごし、気づけばその価値を受け取っている。

例:『フォレスト・ガンプ/一期一会』
DOORD

判断の宙吊り

答えを示さず、判断を観客に委ねる。自分で考えた結論は、人から言われた結論より長く残る。

例:『十二人の怒れる男』
DOORE

覚醒

世界の見え方そのものがひっくり返り、当たり前だと思っていた枠組みの外に出る。

例:『トゥルーマン・ショー』
DOORF

目撃

誰かが生きた現実を、最後まで見届ける。その重さが、見る人の価値観に残る。

例:『火垂るの墓』
DOORI

自己物語の書き換え

「自分を語り直してもいい」という許可を受け取り、自分自身の物語を書き換える。

例:『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
横にスワイプ

Velvet 物語データベースの分析より(映画24作品の深掘り分析と、ショートドラマの視聴データをもとに整理)

HOW TO USE

実務につながる、3つの入口。

それぞれの立場で、物語の視点を。
企画・制作・コミュニケーションの現場で活用できます。

事業会社のマーケターへ

届けたい価値を、
言葉にする。

生活者のインサイトを、物語から捉え、ブランドの意味づけに活かします。

代理店のプランナーへ

課題から、
物語の入口を探す。

課題の背景にある人の文脈を読み解き、企画の方向性を見出します。

クリエイティブディレクターへ

表現の意図を、
共有できる形に。

制作の背景にある意味を整理し、チームやクライアントと共有できます。

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メソッドを手がかりに、
物語を探索する。

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物語は、
ひとりから、世界につながっていく。

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